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ここは、私が普段、作曲のお仕事でどういう課程で音楽を制作しているかを紹介する、かなり自己満足なコラムです。
制作過程というのは人それぞれ、サークルさんやメーカーさんによっても異なると思いますので、あくまで一例だと思って読んで頂ければ幸いです。
作曲の手法、ソフトウェアの使用方法や音楽理論についてはここでは解説していませんので、あしからず。
仕事を受注してから納品までの大まかな流れは、多少メーカーさんによる違いはあれど、下のような感じ。
1.依頼メールを受け取る
↓
2.参加を検討する
↓
3.仕様書を受け取る
↓
4.仕様を元に構想を練る
↓
5.実際に曲を組む
↓
6.一通り完成したらチェックを受ける
↓
7.曲全体にダメ出しがでたら4に戻って一から練り直し。部分修正依頼が来たら5に戻って修正を施す。
↓
8.1曲完成!次の曲へ。3または4に戻る。
↓
9.全曲完成!お疲れ自分! 必要なファイル形式でメーカーさんに納品。
だいたい作品にもよるが、月に5~6曲くらいのペースで書きます。自分としてはかなりローペースな気分。
次からは一つ一つ順を追って細かい説明などをしてみます。
上の流れで言うところの1~3くらいまで。
私の場合はWebサイトで私のことを知って頂けるメーカーさんやサークルさんが中心で、依頼は100%メールで届きます。今のところ。
内容は、参加の可否はもちろんのこと未公開の作品内容なども教えて頂けることが多いですね。
実際に作品をみてみないことには自分が曲を当てられるか判断しかねる部分もあるので助かります。
いくつかのメールのやりとりを経て参加が決まったら、仕様書というモノを受け取ります。
これは、どういう音楽が必要なのか、「こうこう、こういう音楽を作ってネ」ということが書かれた、いわば音楽の設計書です。
この仕様書に従って、必要な音楽を制作していきます。
仕様は一度に渡されることもあれば、数曲ごとに分けて渡されることがあります。
例えば体験版などがあるゲームでは体験版で必要な曲だけ先に制作、ということがありますね。
音楽の仕様というのはなかなか困ったモノでして、音楽を文章で表現するのが難しい以上、かなり抽象的な書かれ方をすることが多いです。
例えば、「速め」とか「悲しげ」とか形容詞で表されていることが多いですね。
そのため、コンポーザーとメーカー側のディレクターさんとの間で欲しい曲の微妙な差異が生じてしまうことが結構あるのです。
ですから、私は迷った場合はなるべく最初に「こういう方向性でいこうかと思うのですが~」と細かい構成や構想をあらかじめ伝えるようにしています。
曲の雰囲気はもちろんのこと使う楽器や構成などを伝えて、OKを貰ってから制作に入ります。
(ちなみに、「○○みたいな曲」と実際の曲名を挙げる仕様もあったりしますが、あまり意識しすぎるとパクリになってしまうので、雰囲気や楽器の参考程度にしています)
さて、仕様書を貰ったらいよいよ制作の段階に入ります。
仕様書に目を通して理解したら、どういう曲を書こうか、という構想に入ります。
こういう楽器を使って~、こういう構成にして~、メロディはこうで~、という曲を作る上での要素を頭の中で構築していきます。
自分の脳ミソさえあればできる作業なので、風呂に入っているときや電車に乗っているときなどに行ったりすることもあります。
ただし、端から見ればボーっとしているただのオッサンです。
とはいえ、頭の中だけで構想しているのは限界があるので、(特に記憶力がないので、いい構成を思いついても忘れることが・・・)実際はPC上で簡単に曲を組んだり、
キーボードを弾いてメロディを考えたりします。
いかにも作曲をしているな、コイツ、と見られる風景ですね。
構想が固まったら、いよいよ曲を組んでいきます。
シーケンサー上にポチポチと音符を置いていったり、キーボードを叩いてステップ入力やリアルタイム入力でどんどん打ち込んでいきます。
DTM のことを俗に「打ち込み音楽」とか、略して「打ち込みで~」とか言ったりするのはこの辺に理由があるんですね。
なんだかごちゃごちゃしたPC画面に向かって作業するので、なんのゲームやってるの?と言われることも。
話は逸れますが、私は基本的にすべて打ち込みでやっています。
アコースティック楽器はピアノくらいしか弾けませんが、そもそも録音環境がヘチョイので、ほとんどシンセ頼りです。
隣の芝生は青い、といいますが、アコースティック楽器を演奏して作曲している人たちを憧れます・・・
話は戻って、打ち込みですが、曲の規模(長さや使っている楽器数)にもよりますが、だいたい3分程度のBGMで5~6時間くらいで打ち込みが終わります。
(単純な曲や短いときはもっと早くできることも)
+αで楽譜の微調整やエフェクタの調整、マスタリングを行うので、実際に曲が完成するまで8時間くらいと言ったところでしょうか。早いんだか遅いんだか分かりません。
ここでちょっと話がまた逸れて、実際にBGM制作で使用しているソフトウェアとハードウェアの一部を紹介をば。
ちょっと前までのメインウエポン、「XV-5080+Expansion Board」。
ハイクオソフトさんの「よつのは」くらいまで使用していた音色がとても把握できない量もあるハードウェアシンセサイザーです。
これ一台でBGM制作に必要な楽器は全部揃います。ただハードなので録音作業がちょっと面倒な面も。
現在のメインウエポン、「Colossus」。
現在制作しているBGMで用いている楽器の8割方はコレで作っています。
VSTiのソフトシンセです。これまた一通りの楽器が揃っているので便利。しかも一つ一つの楽器のクオリティが高い。
メモリをバカ食いするのが欠点だが、まあそこは大容量ソフトシンセの宿命なので目を瞑ろう。
オーケストラ系を担当、「EWQLSO Silver Edition+Pro XP Silver」。
オケ系・クラシック系のBGMではコレが主に活躍中。
Gold Edition が欲しい・・・
アコースティックギターはこれにお任せ、「Real Guitar」。
アコギ専用ソフトシンセ。ハード時代には考えられなかった楽さでハイクオリティなギターサウンドを打ち込める一品。
BGM制作ではもう手放せません・・・(いい過ぎか?)
人気がやたらあるドラムシンセ、「EZ Drummer」。
ホントはテーマソング向けに購入したのだが、結局BGMにも使っている始末。使いやすいデスヨ。
パーカッションのエキスパンションも導入しているので、それもちょくちょく使っています。
甘い音色やファンキーな音色、「Lazy Snake」
フリーのエレピソフトシンセです。フリーながら扱えるパラメータが豊富でいろんなエレピサウンドが作れます。
他にも電子音系のフリーのソフトシンセやドラムサンプラー、各種フリーのエフェクターなども使っていますが、ここでは割愛。
閑話休題。
さて、曲が完成したらそのまま納品するワケにもいかないので、メーカーさんにチェックを仰ぎます。
完成した曲をレンダリングして WAVE データにし、さらに MP3 に圧縮して指定された場所にアップロードします。
なんの問題もなくOKがでればいいのですが、ここでたまにダメ出しが出ます。
上で、こちらからも方向性を伝える、と書きましたが、それでもやはり限界があるようでイメージが合わなかったりすることがあるのです。
ダメ出しには二つあって、一つは曲そのものがイメージに合ってない場合。
この場合メロディを変えたりしても雰囲気が変わらないので、だいたい一から練り直しになります。いわゆるボツ。一番凹みます。
(ボツではありますが、ほかのシーンで使えそうならば使って貰えることもあります)
再度、メーカーさんと相談して方向性を定めて作り直します。
二つめは、一部分のみの修正の場合。
例えば、楽器を変えて欲しい、テンポを変えて欲しい、ここのパートをもっと盛り上げて、といった部分修正ですね。
ソフトシンセで作っている場合、比較的簡単に修正できるので、こちらの方が遙かに気が楽です。
適宜、部分修正を施して再チェックを受けます。OKが出るまで繰り返し。
なんとかOKが貰えたら、次の曲に取りかかります。
こうして、構想~作曲~完成を繰り返して、必要な楽曲を一つ一つ完成させていきます。
最後にBGMの楽曲全体の音量バランスを調整したり、サウンドトラック用に書き下ろしを書いたり、ライナーノーツを書いたりして、仕事が終了します。
実は作品が発売される数ヶ月前には作曲作業は終わってしまっているので、発売間近になって、「あ~あれはあーすれば良かった」という後悔に苛まれることもたびたびあるのですが、
そこは反省して次に生かすようにしますね。
発売後は発売後で、聞いてくださった方々からの感想を頂くのが非常に嬉しい瞬間であります。
BGM というのは、ゲーム作品に於いてはどちらかというと作品を下から支える、縁の下的要素ではありますが、それでもそこに目(耳?)を付けて感想を送ってくださる方々には感謝ですね。
以上で私の BGM 制作の過程の紹介を終わります。長文乱文ではありますが、ここまで読んで頂きありがとうございました。
次は、テーマソング編にて。
BGM 制作に於いて、私が個人的に気をつけているコト。
まず第一にどんな音楽でも聴くこと。
ロックやポップス、ジャズあたりの良く聞かれるものはもちろん、エスニックやイージーリスニング、ラウンジ、テクノ、ジャンル問わずと言ったところですね。
これは BGM 制作に於いて、幅広い音楽ジャンルの知識が要求されるからです。
ジャンルの引き出しが広ければ、それだけ構想時に「あのジャンルの音楽が合いそうだ~」と簡単にイメージすることができるようになります。
次に、ゲームでもアニメでもTV番組でも、実際にどんな BGM がどう使われているかを知ること。
こういうシーンにはこういう音楽が適している、という知識が身に付きます。
が、あまり意識しすぎると作品が楽しめなくなるという欠点も(笑
既存概念に捕らわれると、ありきたりになってしまいがちですが、あまりに突飛な音楽を当てるのもよくないと思います。
ですから、作品の雰囲気を掴み、そこに自分の個性を埋め込められるようにしています。コレがなかなか難しい。
制作上の注意としては、目立ちすぎないこと、ただし曲として聞ける音楽を作ること。
BGM を当てる作品の雰囲気を壊すことなく、かつ曲単体で聞いて楽しめる音楽を作ることを目指します。
まだまだ私としてはココは修行中と言ったところですね。これまた難しいです。
まだまだ勉強すること、修行することが多いなーと思いつつ、日々是作曲。
informationStudio Misty(this site) is a web site which releases some music composed and arranged by Yossy(I).
I am mainly producing techno/trance music using synthesisers.
And also I am producing some theme songs and BGMs for CDs and games.
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